介護問題と親子の関係について,ご利用者様とご家族の関係について考えることがあります。
最近はコロナ禍で、面会禁止や制限があって、 なかなかご面会に来ていただけない状況が続いているのですが、 それまでは、 面会によくお見えになるご家族。 たまにお見えになるご家族。 何か用事がある時に来て下さるご家族。 なかなか、こちらから連絡をしてもお見えになって頂けないご家族。
面会の方法や頻度にも いろんなご家族の在り方が映し出されています。
最初に申し上げておきますが、短絡的に、面会が多い家族が、関係が良くて、 面会が少ないご家族は、ご利用者様との関係が悪いのだという話をしたいのではありません。
私は、いい、悪いではなく、 それが、今のご家族とご利用者様との距離だと捉えています。 そして、面会のご様子を拝見していても、 ご家族とご利用者様の心の距離を感じられるのです。
いい悪いとか、 近い遠いとか、 そういう捉え方ではなく、
ありのまま、それが、そのご家族とご利用者様にとっての、距離なのだとまずは受け止めるようにしています。
そして、その距離感にご利用者様が納得しているのかどうか。 ご家族がそれをどう感じていらっしゃるのか、 それぞれの受け止め方について可能な限り知りたいと思っています。
その距離を感じた時、 私たちがお役に立てることはないかと考えます。
また、 距離が遠いとして、どうして今はその距離なのか、 これまでのご家族とご利用者様との関係に思いを馳せたりもします。
遠くにあるように感じても、 今はその距離感が必要な時期なのかもしれないと思う時もあります。
身内の介護は想像以上に大変な時があります。 また、それが認知症を伴う介護だったり、 身体的な不自由さが大きい場合だったり、 体力的にも精神的にも、 ゆっくりとご家族には休んで頂く、 ご利用者様には、出来る限り心身の安定を図って頂く。 そんな、時期が必要なのだと思います。
そして、いつか、その距離を縮めたいと 思うエネルギーを蓄えて頂くこと。 その時に、沸き起こるお気持ちを整理するお手伝いができるように 私たちも準備をしておきたいと思っています。
また、 介護問題の中で、 これまでの親子関係であったり、 家族関係の在り方が顔を出してしまうこともあります。 親に対する思い。 子に対する思い。 それは、大切にしたいからこその思いでありながら、 時に、それが重く感じたり、 逆に、傷つけられるように感じたりしてしまうこともあるように思います。
介護問題は、ご利用者とご家族との関係の総決算であるのかもしれません。 ご利用者様の余生をより豊かなものであってほしいと思うのと同時に、 ご家族にはご家族の人生があって、 お互いがそれぞれの人生を笑って、幸せに過ごしていただけるように、 ご利用者が安心安全にお過ごしいただくだけではなく、 ご家族様との私達施設職員の距離感に、 そのご利用者様とご家族様の距離感が映し出されることも念頭に置きながら、 日々、ご利用者との関わりや、ご家族様に対するアプローチを考えて 行きたいと思っています。
先の見えない不安を抱え、認知症介護でお困りの共働きのご夫婦様に。 家事にお仕事、加えて介護の両立で心の疲れを感じていらっしゃる奥様に。 心身のケアが必要でも、たまには自宅に戻って趣味の庭いじりをしたい、孫の顔が見たいとお考えのお父様、お母様へ。
少しでも、お互いの人生をより生き生きと感じさせてくれる距離感になりますように、施設運営や、ご家族様の心理的サポートを考えて参りたいと思います。
今日も、最後まで読んで頂き、 ありがとうございました。
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